中島省三のエッセイ

アサザの花

2011/06/21

コーヒーを飲もうと自転車を降りると黄色い花が僕の目に入った。 その花は樽の水面に三輪咲いていて水の中を見るとメダカが泳いでいた。店内に入りコーヒーを注文、マスターに美しい花の名前はと尋ねたらアサザという花で日本のものだ教えてくれた。コーヒーを飲み終え店の外へもう一度、樽の中のアサザへ目をやり、つぶやいた綺麗だと久しぶりに美人に会ったような気分になった。なぜかペダルが軽く今日は自転車が早く走っている。そしてあくる日アサザに会うため喫茶店に雨の中向う、で僕の視線の先の樽の中には黄色い美しいアサザの花は無い、喫茶店に入り、アサザはと尋ねたら雨の日は咲かないと水生植物の癖にとなぜと思ったがすぐに繊細なアサザの花が好きになった。

琵琶湖の蜃気楼

2011/06/06

琵琶湖の蜃気楼は湖面の温度が低いときに暖かい空気が流れ込むと光の屈折で建物や橋が上方に伸びて見えるのが琵琶湖の蜃気楼だと聞いている。五月のある日湖岸を自転車で走っていると蜃気楼が出てるよと打出浜で蜃気楼観測しているF氏より声をかけられ、立ち止まり湖上に目をやるが裸眼ではと、するとF氏が双眼鏡を手渡しながら琵琶湖大橋が二つに見えるよと、僕は言われるままに琵琶湖大橋を双眼鏡で見ると橋の下の湖上にも橋が浮かび上がって見える僕が見る初めての蜃気楼体験小さな感動が走った、いままで見ていたのは下方蜃気楼で一年中みられるそうで今回見たのが四月から六月に見られる上方蜃気楼で守山の建物が上方に背伸びしているのが肉眼でもかんじる。F氏に礼をいってまだ蜃気楼が見える湖岸を石山へと自転車を走らすと蜃気楼を見た感動かペタルを漕ぐ足も心も軽く梅雨入り前のサイクリングを楽しんだ。

湖岸の花

2011/06/06

何時もの様に湖岸を自転車で走っていると今年は琵琶湖の水位が高く少し波があると歩道にまで水しぶき上がっている。釣り人がいる石の護岸まで水が、琵琶湖が広くなって見える。自転車を走らせ人工の砂浜、由美が浜へリュウキュウツキミソウを見に行くと砂浜は何時もより小さく感じる。水辺に目をやると月見草の花が美しく咲いているが三分の一ほどの群落が水生植物の様に見える。水位が高いのは雨量のせい、それとも南郷にある堰で人工的に調節しているのが原因だろうと、月見草も人工の砂浜、湖には人間が持ち込んだブルーギルやブラックバスが在来種の保護が叫ばれているが大変難しい問題だと琵琶湖には咲いていなかったリュウキュウツキミソウを見て考えた。

乗鞍春スキー

2011/05/24

乗鞍へ山スキーに行かないかと山仲間の奥ちゃんより誘いがあり参加した。 飛行老年には少し強行軍と思いながら車に乗った。今回はテレマークの達人Iさんと山ガールのFさんが加わり四人での山行だ。朴の木平らの駐車場に真夜中の二時に着いた。爽やかな山の空気を吸って目が覚めた。急ぎ支度をして二番のバスで畳平へ向かう、お天気イマイチの様子、四十分程でバスは終点の畳平へ着いた。スキーをリュックに着け、ここからは歩いて登山、地道や雪渓をトラバスして斜面に、スキーにシールを着け登攀開始、僅か標高差三百メートル程の登りだが、空気の薄さを感じ,あえぎながら皆の後を追いながら頂上へ、お天気は途中から晴天へと変わり山頂からの眺めは素晴らしく御岳や北アルプスが一望できた。軽い食事を済ませ大雪渓への滑降に胸を弾ませながら雄大な景色に見とれること暫し、Iさんがコースを選定、慎重にドロップインして行く僕も三番手でツウステップテレマークで急斜面をクリア、奥ちゃんIさん山ガールのFさんはテレマークターンを決めながら雪渓を滑り下方に着いた。雪渓を見上げて、奥ちゃん等3人はまた斜面を登り返した。僕は途中で待つ事にした。雄大な乗鞍を背景に滑る3人を写真に撮ろうとデジカメを出し待った。暖かな春の陽気の中、大自然の偉大さを感じるとすごく心が広くなった。写真を撮り終え四人で雪渓を登り返し畳平に向かう、僕の足取りは重いが、充実感が体中を包んでいるのが解った。帰りの車中は楽しいスキーの話で時が流れた・・・・

春スキー

2011/04/26

落ち込み気分で過ごしていた時、山仲間の奥ちゃんから気分転換にテレマークスキーに行かないかと誘われた。岐阜の大日岳へと向かった山と言っても高鷲スノーパークのリフトを利用してのお手軽な山スキーで気分も楽なせいかリフトの最終点からシールを着け登り始める天候も良く足取り軽く四十分程で千七百メートルの山頂へ着いた。頂上からの眺めは素晴らしく、遠くは北アルプスがそして加賀白山が手に取るように見えた。二人はシールを剥がし、早速滑る準備に休憩する事も無くまだ多く雪が残る谷へドロップ、白山をバックに見事に決まる奥ちゃんのテレマークをデジカメで撮ると僕も後に続きテレマークターンを決めながら滑り降りた。スキーを担ぎ谷を登り返し再び山頂を目指し春の雪を踏みしめ登った。今日の晴天を感謝しながら山ろくめざし二人はスキーを走らせた。
追  三番目の写真は奥ちゃん撮影で滑る飛行老年

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