中島省三の湖畔通信

武徳殿

2018/03/25

僕が柔道の稽古に通った武徳殿のお別れ会(見学会)があった。県庁の西隣で昭和の名建築として存在感を現していた建物が壊されると遭っては写真を撮りに行かねばと武徳殿へ向かった。建物は外から見る限り僕が通った頃とさして変化していないように見えた。十年間放置去れた所為か周辺の木々が寂れ具合を演出していて、もう少し時間が経てば廃墟として写真が撮れるのではと周囲を廻って中へ入った。道場へは少し躊躇しながら靴のまま上がった、道場は綺麗に掃除されていて、目を瞑ると柔道や剣道を稽古する声が木霊して当時の光景が頭に浮かんで来た。目を開けると見学に来た人達が写真を撮ったり、思い出に耽っているのか、膝末いて懐かしく畳みに触れている人も見かけた。一階に下りて各部屋を見て廻ると廃校の様に荒れ果てた、更衣室を見ていると懐かしい汗の臭いと埃の混じった臭いが残っているのではと思いながら写真を撮った。外へ出て建物全体を撮ろうと樹の傍よると看板には保護樹木、モミジバスズカケノキとあり、樹齢七十年と書かれていた。武徳殿は1937年に建設されたのだから木の方が若い事になるが此の木も武徳殿と運命を共にするのかと思うと少し寂しさを感じた。帰り際、道場(武徳殿)に向かって一礼すると柔道を習ったT先生の笑顔が浮かんだ。

土方 歳三

2018/03/24

新撰組の土方歳三は映画やテレビの時代劇で知っているが、僕は新撰組より鞍馬天狗の方が好きで嵐寛十郎所謂、嵐寛の鞍馬天狗映画を小学生の頃に見た所為で新撰組の近藤勇や土方歳三の名前は知っていた。最近買った本、ヒトごろし(京極夏彦)は土方歳三が主役の小説だ。新聞の書評で興味を持ち近くの本屋で取り寄せた。手に取ると千ページは超える大作で当初、買わなきゃよかったと思った。本を読む気になるまで少し時間がかかったが土方が語る言葉の小気味よさにヒトごろしの世界へとページを繰った。今、丁度半分ほど読んだところで、書評をするつもりは無い、主人公、土方歳三は幼い頃、人が切られるのを見た折に血しぶきの美しさに感動?してから人殺しへの道を歩んで行く物語、人ではない、人外の話と躊躇したが土方歳三の理に敵ったクールな人殺しに魅力感じるのは何故と思いながら読んでいると色んな事に考えが及んできた。歳三は刀はヒトを切るための道具だと・・・現代で我が国の自衛隊が持つ武器全てが人殺しの道具ではないか、権力を持つものが其れを利用して大量にヒトを殺す戦争は最大の罪悪ではと考えると武器を持たない国を作らなければ平和など来ないと思った。核兵器を持った大国が平和を説いても説得力にかける、脅して平和を維持しようとしている様なことではと思った。土方歳三を通して感じる人外と呼べる此の国の武器好きの政治家の多さに改めて驚いた。戦争になれば人外となったヒトごろしが戦争の相手国の罪もない子供や弱者を強大な武器を持って戦う事になればと想像するだけで恐ろしくなった。

湖岸の花

2018/03/23

晴れた日は気分も軽く自転車は何時もより早く走るように感じた。打出浜のコブシも花を開かせ白い花と青空が春を演出するも、風は冷たく、やはり比良の八講が済まないと春は来ないと由美浜へ向かった。河津桜も最盛期を過ぎ花の数も少なくなった。サンシャインビーチを見るとシラサギとアオサギ、そして少なくなった水鳥が見えた。久ぶりにシラサギの写真を撮り、今日の写真は終了と呟きコーヒーブレイクに喫茶店に向かった。

コーヒーを飲みながら朝日新聞を読んだ、改憲問題の記事を読みながら護憲派、改憲派、だけの議論では解決しないのではと記事にもあった、急いで国民投票で決着をつけるのでは後々、問題が出てくることは分かっている事ではと思いながら新聞を閉じた。

帰路、町中の本屋に寄り何時も読んでいるフォトジャーナリズム誌DAYS/JAPANを買った。表紙の、特集世界一の超高齢大国・日本「死に場所難民時代」病院に入れない高齢者の文字が目に入ると、明るい気分が急降下した。今日は読むのは止めようと決め、自転車に乗った。

椿三十朗

2018/03/22

三井寺の境内に咲く赤い椿を見て、映画、椿三十朗(黒澤明作品)を思い出した。事態を告げるために椿の花を小さな川に流すシーンでモノクロ映画で其のシーンでは確か赤い椿だけが色が付いていたと記憶している映画の出来も素晴らしく何回か映画館に足を運んだ。黒澤作品は娯楽作品だけでなく社会派の作品も群を抜いていたと今も題名だけは記憶している、生きものの記録(1955・103分)は原水爆の危険性を正面から捉えた内容で、今でも通用するのでは核問題でゆれる国際情勢、そして原発の問題までも考えられる映画だ。次は,悪い奴ほどよく眠る(1960・150分モノクロ)では政界の汚職事件をテーマーにした映画だ。僕が二十歳の時に見た折、政治の世界の汚さに怒りを憶えた事等を思い出してきた。此の映画も現在、話題となっている森友問題など考えると黒澤監督は社会に対しても自分の言葉として世間に訴えている、そして天国と地獄(1963・143分モノクロ)は格差社会に起こる犯罪を描いた傑作だ現在の日本映画には社会派なる映画の存在はメージャー作品では目にすることなく寂しい限りだ、それに比べアメリカ・ハリウッド映画は社会派映画の秀作は、製作本数も多く普通の映画館で見ることが出来る、最近見た、デトロイト等は素晴らしい映画だった。黒澤明監督なら原発問題や政治問題まで踏み込んだ脚本で社会の不条理を訴えた映画を作ってくれるのではと思ったが残念ながら黒澤明監督はあちらの世界へ・・・・久ぶりにビデオでも借りて、悪い奴ほどよく眠る、を見ようと思った。

オカメザクラ

2018/03/21

今日も雨、湖畔通信の写真を探しに出かけた。探すと言っても昨日の夕刻歯医者の帰り石坂線三井寺駅で降りると疏水の傍らにピンク色の花が目に入り花を確認する為に近付いた。場所は蝋梅の咲いている隣にオカメザクラが咲いていた。早咲きとは聞いていたが既に満開だ。オカメザクラを知ったのは去年、疎水傍のO亭の玄関前に咲く桜を撮っていると主のOさんがオカメザクラですよと教えてくれた。パソコンでグウグルと此の桜はイギリス人の桜研究者がカンヒガンザクラとマメザクラを交配して作出したとあり名前はオカメに由来と、ついでにオカメを調べるとお多福と同じと分かった。お多福の面を想像すると此花の方が可愛く美人だと思った。オカメザクラの花は冷たい雨に濡れ元気なく俯いている姿を写真に撮った。そして電車の通るのを待ちオカメザクラを構図に入れデジカメを構え撮った。今年は色んな花が間隔を空けずに咲き春が一気に駆け抜けてしまうのではと思った。

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