中島省三の湖畔通信

黄金の・・・・

2017/02/03

今日の朝陽はあまり期待していなかったがデイルームの窓から東方を見ると雲が黄金色に染まる光景を見て佐藤泰志の小説黄金の服、を思い出し、少し言葉を借りて・・・雲が黄金色の服を纏い、これから地上に黄金色の朝を届けるのかと勝手に想像した。そして何時も見るトンビを探したが今日は風も弱くトンビにとって飛翔するには不向きと考えた。昨日は雪の中を左旋回しながら強い風を受けて見る間に高度を上げるトンビを見ながら大津際川飛行場時代を思いだした。先日も飛行機仲間のMさんが訪ねてくれ飛行談義に花が咲いた。際川飛行場は草地の中に南北に走る未舗装の滑走路が一本の小さな飛行場だった、風は一年を通して北からの風が多く飛行機は殆ど比良山の方へ向かってテイクオフする事が多かった。横風の着陸は訓練を重ねたお陰で難なくこなす事が出来たが、強風となると飛行禁止となりフライトを諦めて空を見上げるとトンビは強風の中を見事な操縦で飛行している様子に感心していると、整備士のYさんが人間が強風でも道を歩く様に、トンビも空を歩いているのだと、そんな事を言われた思い出が蘇ってきた。窓外から空を見てもトンビの姿を発見できなかった。

雪の朝

2017/02/02

早朝、トイレに向かう時、看護士Nさんが雪が降ってますよと教えてくれた。急いで部屋に帰りデジカメを持ってデイルームへ、思ったほど雪は積もっていなかった。雪雲が垂れ込め遠くの視界は悪く三上山は見えず残念と・・・近くを見ると整然と並んだ家の屋根が薄化粧している、まるでミニチュア模型の様に見えた。部屋に帰る途中、比叡山が見たくなり、昨日探検?業務用エレベーターの窓は西向きで見える事を確認していたので期待して寄った。残念ながら雲に覆われて比叡山の雪景色を見ることは出来なかったが、コーヒーを飲みに出かけたコメダがある西大津の高層マンションが見えた。久しぶりに生活圏を見て元気が少し出てきた。

先日、山仲間のOさんがプレゼントしてくれた小説しんせかい、を読み終えた。芥川賞話題小説、で作者山下澄人が北海道富良野で開かれた、有名な富良野塾を舞台にした物語はリズム良く進み早く読み終わった。誌の様に早く流れる様に読める文体と内容の単純さが此の小説の魅力と思った。
そして。しんせかい、とひらかなの題名を改めてみて、うん と納得した.

先日、友人のMさんが再度尋ねてくれた、Mさんは映画好きで最近見た映画の話をしてくれた、どれも京都シネマで上映されている映画で、僕が見たい映画で入院していなければ・・・・でも退院する頃には終っているなと言われ残念と、でも仕方ない事だと諦めた。

夜明け

2017/02/01

毎日、朝五時半には起きてしまい、音を立てるので隣の患者さんには迷惑をかけていると思いながら・・・・そしてデジカメを出してデイルームへ出かけ、窓外を見ると荘厳な夜明け前の美しさが広がる情景に心が癒された。空は何処までも深く濃い青色の神秘的な空が、そして山の稜線がバックライトを受けて浮かび山がシルエットで山容を表現していて何時も見ている風景とは違い僕の心が少し動いた。そして小さな感動を覚えながらデジカメで数枚撮った。平安時代の女流作家清少納言なら素晴らしい言葉で今日の夜明けを、どの様に表現するのだろうと・・・高校時代、古典文学の時間では勉強嫌いの僕は居眠りしながら授業を受けた事を思い出した。もっと国語を勉強しておけば良かったと反省した。

昨日、デイルームからビルの隙間に夕日を受けた伊吹山が見えた。登山、スキー、そして山頂からパラグライダーで飛び立ち眼下に広がる湖北平野を見ながら戦国武将も空から敵陣を偵察で戦略もと・・・そんな事を考えながら飛行したことがつい最近の様に感じた。

今日、リハビリで初めて自転車を漕いだと言ってもトレーニングマシーンだ。療法士Mさんのお陰で此処まで進んだと感謝しながら十分間ペダルを漕ぎ久ぶりに汗をかいた。十分と言えば家から打出浜までの距離だ。

光速で八分間

2017/01/31

僕の記憶が正しければ太陽から地球までの距離は光の速さで八分かかり、今見ている太陽は八分前の太陽と・・・そんな事を考えながら日の出を見た。ドキュメンタリー映画で見る砂漠の朝陽を想像させてくれた。厚い雲の向こう側から上がってくる光が砂丘の稜線を照らしている様に見える風景は、デイルームから見ていると言うより何処かの砂漠で一人佇み朝陽を眺めている僕を想像した。そして部屋の壁に映る自分の影と光速で八分かけ届いた光の不思議さを考えながら病室へ帰った。


昨日のリハビリでは療法士Mさんの指導で術後初めて正座した。膝が自由にまがり少し安心感が、今週は帰宅に向けてのリハビリに励もうと誓った。

ピラミッド発見

2017/01/30

病院内にピラミッドなど在る筈が無い・・・でも存在すると言ってもナースセンターの前から内側の窓から見る景色の中にガラスの四角錐の明り取りの窓がピラミッドに見えた。僕は実物を見た事が無いが小さなガラスのピラミッドが四つも並ぶ様をヘリコプターから空撮している様に感じ楽しい日の始まりとなった。写真を撮り終えデイルームに向かった。残念ながら今日は雨、六階からの眺望も視界不良だ。気分は少しブルーになった。雲が垂れ込め三上山や太神山は見えず今日は写真は此れまでとカメラをしまった。

昨日は友人のOちゃんが本を持って尋ねてくれた、Oちゃんは山スキー仲間で彼が山スキーを始めるきっかけになった奥マキノ、赤坂山へテレマークスキーで目指した時の話などで会話が盛り上がると元気が出てきて久ぶりに心が雪山へ向かい、痛みが消えた。そして山スキーを出来なくなった事に少し寂しさが宿った。

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