中島省三の湖畔通信

退屈な日

2023/07/05

梅雨空に戻ったてどんよりとしたお天気では気勢が上がらない日となった。自転車で湖岸へ向かうと浜大津湖岸では花火大会に向けて観覧席の設置作業が始まった。今では花火大会は有料席が湖岸を埋めるようになり地元に住む人たちの楽しみから観光客本位になってしまった。大津市の観光事業では花火大会が主たる事業の様だ。一日で訪れる花火見物の人は二十万人以上と言われ大津市の最大イベントだ。以前は交通渋滞を起こし夜遅くまで車の渋滞に悩まされた。花火は一万発と言われているから、そんな大きな花火大会ではないと思うが、観覧席の設置費用や警備らの経費を考えると別に開催しなくても良いのではと思うが、花火好きの人には特別なイベントなのかと工事の始まった湖岸を写真に撮った。此処一月の間は快適な湖岸ポタリングが楽しめないと感じた。

写真は昨日に撮った、打出浜湖岸の昼顔も間もなく観覧席に覆われる運命だ。浜大津の公園のアガンパスの咲く広場も花火大会では周辺はパイプ椅子で埋め尽くされる。

人工湖岸

2023/07/04

梅雨のシーズンでは珍しく青色の世界が広がった、雲一つ無い青空に真夏を感じた。そして青の芸術、イヴ・クラインの作品を思い出した。自分の体も青色になれば暑さも半減するのではと夏日の湖岸ポタリングを楽しんだ。浜大津から膳所公園に至る湖岸の遊歩道は人工湖岸では年に数回除草作業が行われる、湖岸には在来種、外来種と色んな植物が命を謳歌しているが区別なしの除草作業で、僕の好きなカラスウリの花を数年写真に撮ることが出来ないのが残念だ。におの浜の湖岸では除草作業が済んで殺風景な湖岸風景となった。近年は除草作業の回数が多いのかキショウブの姿も見かけなくなった。ハルジオンの花は夏の花の無い時期に湖岸に彩りを添えてくれる可憐な花だ、其の花も刈り取られスッキリした湖岸は無機質に見えた。そして浜大津湖畔では8月の花火大会の為の有料観覧席の工事が始まると工事の看板が出ていた。今年は有料観覧席が増え、におの浜湖岸まで広がるそうだ。一般庶民が楽しみにしている無料で見られる湖畔が少なくなるばかりだ。湖岸は衝立の様な高層集合住宅が立ち並び町中からは花火が見えなくなり怒っている人もいると聞いた。僕は個人的に花火大会はあまり好きではなく仕事以外では湖岸からは40年前に見たのが最後だ。花火大会は琵琶湖の冠を付けた一大金儲けイベントではないのかと、そして今、地球温暖化や琵琶湖の環境問題の方が重要ではと思った。

モッコクの花

2023/07/03

我が家の庭のモッコクが花を咲かせた。今年83歳になった僕が初めて見た、小さな庭にあったモッコクは10年以上前に突然枯れてしまった。其の木は僕の生まれる前からあったが花が咲いた記憶は無かった。花が咲いているモッコクは北側の道路沿いの小さな庭には二本あったが8年程前に枯れ、残った木が花を咲かせた。去年の暮、庭木を剪定してもらった折、造園家Nさんが温暖化や近くを通る車の排気ガスらの影響を受けたか?原因は分からないが全ての木が弱っていますねと言われて、地球温暖化による環境の変化が迫っていることを実感した。此の木も枯れるのかと心配していたら、見事な花を咲かせてくれた。辺りに仄かな甘い香りを漂わせるモッコクの花を愛でながら写真を撮っていると嬉しくなった。此の木は父が僕の中学生の頃に植えたもので70年は過ぎていると記憶を辿った。花を何十年もの間、咲かせなかったのか僕が気づかなかったのかは分からないが・・・でも身近な木や花に目が行かなかった愚か者であることも確かだと自覚した。そして中庭ではフリージア・ラクサが今度は白い花を咲かせてくれた。嬉しい贈り物を頂いた嬉しい朝となった。湖岸ポタリングで走ると、におの浜湖岸では除草作業が始まりハルジオンの花は刈り取られ味気ない殺風景な琵琶湖の風景が広がっていた。

二重思考

2023/07/02

言うまでもなく、二重思考は世界的名著「1984年」はジョージ・オーウェル1949年に刊行した、デストピア小説の中に出てくるオセアニアを統括するビッグ・ブラザ党の政治の基本だ。此の本を読まれた方も多いと思っているから精しくは語らないことにした。主人公ウインストンは党員だが党の考えに少し疑いを持っているらしい?そんな彼が時間をかけて精神から心までも改変?改革?残酷極まる処置で人間が壊れされて行く物語は楽しい小説ではないが今の日本の社会や政治を考える機会を与えてくれる本だとおもっている。数年前に少し読んだだけだったが一年まえに新訳版一九八四年(高橋和久・訳)を読んだ時にも、二重思考は既に我が国の政治家(与党)が政治活動での答弁で使われていて、フィクションの世界が現実に存在している社会と同じ様に見えた。つい最近、「1984」田内志文・訳の方が分かりやすいとの批評欄を読み、買った。そして先日読み終えた。こちらの方は時代が新しく、物語が現実味を帯びてきて読みやすかった。主人公ウインストンの心理らが分かりやすく、そして恋人ジュリアとの恋愛の表現は恋愛小説の様に描かれていた。でも基本は二重思考(ダブルシンク)で迫る大きな政党ビッグ・ブラザの怖さが伝わる重い小説だった。二重思考は政治家が持っている基本ではと思うようになった。平和を語りながら戦争の正義を語るなど常識を持った人、普通に生きる人には出来ないのが二重思考だ。嘘をついても、ついていないと思っている人しか務まらない政治家が統治する国に暮らしていると自分までもが二重思考になるのではと思うと少し怖くなった。

キノコ群

2023/07/01

僕の友人Hくんはキノコのエキスパートだ、知り合ったのは去年湖岸で鳥を観察している親子と湖岸ポタリングの時に話をしたことから親しくなった。キノコの事なら尋ねれば即答できるほどのキノコマニア?キノコ博士?かと思うくらいだ。三井寺の境内も梅雨のシーズンは時折キノコを見かける時もあるが、普通のキノコと見過ごすことも多いが今日は少し違った。ツブラジイの幹に苔が張り付いた部分に白いカビ?でも生えているのかと近づいてよく見るとキノコだった。スマホカメラで撮り、レンズで検索するとセンボンアシナガタケと?でも多くの候補もあったがセンボンアシナガタケに決めた。キノコ博士のHくんに聞いてみたくなった。小糠雨が降っている境内は静かだ。林の中に目をやると牡丹園の中に紫陽花が咲いていた。以前境内には紫陽花が多く咲いていたが近年鹿の食害で姿を消した。今、紫陽花は柵で囲われた牡丹園の中で咲いているから当分は楽しめそうだ。夕方、小雨の降る中を湖岸へ出かけた。何時見ても雨の琵琶湖は美しく神秘的だ、佇んでいると心が鎮まってくるから不思議だ。

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