琵琶湖周游

琵琶湖周游写真集の題名だ。1980年から出版のため湖周辺の暮らしや、 自然の風景を撮り歩いた。ウエッブ  ページに掲載するために改めて写真を見ていると、ほとんどの風景が変化した。

  最近、湖を一周した。道路が完備して便利にはなったが 自然の残った風景は消え、何処から見ても同じように見える。遠景だけは以前 のままに見えるが、湖上では漁船の代わりにバス釣りのボートがエンジンを 響かせ走っているのが目につくばかりだ。

  私が心配しているのは湖の中ではもっと大きな異変が起きているのではないのかと思えてならない。魚もブラックバスに加えコグチバスも増えていると聞く。生態系もおおきく変化、そして景観も大きく変化した。この先母なる太湖と言われた湖はどうなって行くのだろうか。

  私もピンホール写真でボヤケタ風景を映して現実からの逃避をするつもりはないが、あまりにも湖を取り囲む状況が悪すぎ、先行きの不安感がつのるばかりだ。でも琵琶湖の映像製作は続けてゆかねばとあらためて考えた。

  今年8月頃には加納さんや清水さんの協力、そして音楽の茂呂さんもカメラを回してもらうつもりだ。どんな作品になるのか、湖の危機を訴えることの出来る作品なればと思っている。

      2001・1・30     中島省三

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