葛川谷の紅葉

 秋晴れに誘われ、朽木へ向かった。花折トンネルを抜けると、山並みは山頂から裾野へと紅葉がひろがっている。まるで映 画のワンシーンのようにフロントガラスに飛び込んでくる。本日は爽快である、でも腹がへっては写真も撮れぬと朽木のソバ屋,延昌庵へ。ざるソバと栃もちぜ んざいを食べる。この店のソバはいつ食してもうまい。お腹もふくれ撮影に向かう。道路がよくなり,風景が変わり撮影ポイントがわからない。しかたなく旧道 にはいりやっと良い場所を見つけ撮影を始める。谷川の清んだ水、そして紅葉、露出はいつもの感ピュターで一分三十秒。五枚ほど写し本日の撮影終わり。そし て京都の現像所へむかう。そして結果は不満足。何時もとは違う。私は美しい風景に心を奪われ何時ものように想像して自分で絵作りができなかったのだ。何事 も一見美しく見えるものには落とし穴がある。そんな事を考えながら電車のなかでポジフイルムを車内灯にかざし見る。そしてそっとポケットへしまう。本日は 満腹感と不満足で差し引きゼロ。私の算数、おしまい。眠くなりましたそれではまた。

2000/11/6