今日は8月15日終戦記念日。私は朝食のバナナをほおばり朝刊に目を。その時太平洋戦争の思い出がよみがえる。昭和19年私は5歳の時、祖母が南方の戦 地よりのハガキの内容を話してくれた事だ。父の使用人だったマサドと言う人の事。マサドは私をたいそう可愛がってくれたそうで、今も私を膝のうえに抱いて いる写真がアルバムに貼ってあり、優しい顔をした21歳の青年です。その彼がハガキの中で南方ではバナナがいつでも食べられると。そして省ちゃん(わた し)に食べさせたいと書いてあると祖母が私に聴かせてくれたことが、56年間の時間を感じさせないほどの距離で思い出される。戦争はマサドのように優しい 人まで巻き込んでしまう。21歳の若さで戦死、バナナの茂る南方で。私は61歳楽しい自由な人生を送っている。戦争がなければマサドも楽しい人生がおくれ たかも。私はバナナを食べ終え外へ、郵便受けを開けると南国マレーシアへ遊びに行ってきた友人からの絵はがき。楽しい笑顔の二人。空を見上げると真っ青な 夏空にトンビが弧を描いている。
2001/8/15
追:平和な時代が永く続いていると平和の大切さを忘れかけているのかも。今日バナナは果物の中では一番安いモノである。 高価だった少年時代、大切なモノも沢山あった。そんな事を考えながら終戦記念日にあらためて戦争のない世の中を大切にしたい。そしてマサドの思いでは私の 心に永遠に。優しい人マサドの冥福を祈って。