テレビと映画

 最近、多くの知人から大きいテレビを買って映画やサッカーを見ているとそんな話しをよく耳にする。テレビのブラウン管もしくは液晶のフレーム内での出来 事を見ているだけで、ニュースにしてもテレビの小さな枠のなかでの事象を眺めているだけで、スポーツ中継にしても画面から飛び出たボールの動きにはいらだ ちを覚える。明るい部屋で見るドラマも、画面以外に目にする日常とかけ離れた内容がずれとなって集中することが難しい。映画館の暗闇でみるドラマは画面の 中へ感情移入でき、いつのまにかスクリーンと言うフレームが取りはずされている。ビデオで見る映画と映画館とでは大きな差があると私は思う。最近の日本映 画は日常の表現がまずくなってきているのはテレビと言うものに毒されてきていると思えてならない。ニュースにはなにの疑いももたず、垂れ流しされる映像を 眺めているだけ。作り手も手抜きドラマの内容も非現実的。最近見た韓国映画”春の日は過ぎゆく”は久しぶりの日常を表現した秀作であり男と女の感情表現は すばらしいの一言です。暗闇のスクリーンから無限に広がってゆく世界は家のビデオで見る映画とは大きな開きがあると思う。それにしてもこの映画、男の心 情、所詮男らしいと言うことはウジウジとしたナイーブな事が本来男らしいと言うことだと教えてくれた恋愛映画。別れの素晴らしさはすがすがしさをよび、失 恋映画の暗さはない。監督 ホ・ジノ の名前は私の記憶からは消えない。

追 テレビは枠フレーム内を見るもの、映画はスクリーンの枠外が見える事の違いと思える今日この頃です 。    

2002/7/20