shozoさんのブログ

三井寺

 三井寺の境内を毎日散歩するようになってずいぶんと日がたち習慣になった。総門をくぐり左におれると観音堂への石段が 初秋の射光で輝いている。石は磨り減って、所々に窪みができそこに水がたまり景色を写しこんでいる。一段ぬきで石段を駆け上がると2分くらいで観音堂に着 く、でも息があがりフウフウといいながら展望台から大津市街を望む。ついたての様に浜大津のマンションが風景を遮る。あの広重の描いた展望図の三上山(近 江富士)は見えない。北の方へ目をやると比良山が見える、でもこの眺めも後しばらくだ。西大津駅前に36階建てのマンションが建つ、雄大な自然の風景が展 望できなくなる。残念、石段に目をやると、大きなアリが数匹行き交っている、なんの文明も築かず、何百万年いやもっと地球上に暮らしている、人間の暮らし は文明を築き、現代も便利さを求めてやまない。この地球を食べながら、この先も続いていけるのだろうか。足元にめをやると色づいた落ち葉が数枚石段の上で 秋の流れを知らせてくれた。

2000/10/5

トンボの死

 ある日の朝乾いた洗濯物をたたんでいるとオニヤンマがタオルの中から、俺は まだ生きているぞと、羽を振るわせた。久しぶりに間近くで見る、トンボは少し 元気が無くすぐに捕まえる事ができた。美しい透きとおる羽はまだ飛行する ことが可能だと思った。それではと庭に出てトンボをはなすと、元気無く失速 して地面に落ちた。拾い上げ小さな木の枝に止まらせた。元気になればテイク オフできるだろうと、その場を離れた。そして1日がすぎ枝を見ると、トンボ は手を合わして祈っているような姿で死んでいた。じつに静かな死だ。遠くか ら見れば、木と一体となっているように見える。なぜか朝日新聞、日曜判9月 24日,明恵上人樹上座禅像の紙面を読み返した。10月3日現在もトンボは木の上 にいる。

編集作業で振り返る

 京都の編集所で今から16年前のビデオテープを編集している。 そのテープは琵琶湖周辺に住む人たちにインタービユー したもので、近江舞子雄松崎の網元は世の中の動きを見たしっかりとした内容でしゃべり方も味があり、再生していても感動をおぼえる。それにくらべ私の質問 と言えば、相手の返事よりも先に答えるというせっかちさだ。そんなシーンの連続に編集の加納さんが苦笑いしている。ついこの前市民病院でのことも、ドク ターの所見よりも私が先に病気の内容を答え、ドクターにそれはドクターが言うことですと注意されたことを思い出し思わず笑った。なごやかな雰囲気のなか編 集作業は続いて行く。完成後はまた何処かで発表会でもするつもりだ。加納さんは新しいビデオの製作を考えている、インタービューを軸に映像を組合した環境 映画だ。私も共同製作者として参加する、良い作品が出来ること楽しみに期待している。

2000/10/3

蕎麦屋での手伝い

 9月のある日友人から頼まれて大津市内にある蕎麦屋の手伝いをした。まず驚いたのはいきなりてんぷらを揚げてと言われ て準備されたエビに衣をつけて5ひきほど鍋に入れると、パチパチと音をたてながら海老天が油の中を泳いでいる。 ころもを豪華に見せるためてんぷらの衣を 箸の先につけて振ると、中のてんぷらにつき大きくなるということだ。と言ってもしろうとの私が揚げるのですからまくいきません。でも30ぴき程揚げた、そ してそのてんぷらはなにくわぬ顔をしてお客に食べられた。 店の人からみばがわるいといわれた。世の中一見豪華に見せる事が常識なのか。 琵琶湖総合開発 も一見 美しく豪華に見せている、でも湖のもっ自然の美しさそして水質の事など気にせず見せかけの美しさや豪華さを競っている。わたしはあまり多くの衣を 着たてんぷらより中身のある海老天が好きだ。

蕎麦の花

 9月26日 蕎麦の花が満開していると朝日新聞の滋賀判に掲載(25日)されていた。友人に頼まれていたことを思い出 し今津町の函館山へ車で走った。白い花が田んぼ一面に広がっているのが遠くからでも確認できた。車を止めて蕎麦畑の中へ入った。雲がきれ太陽が顔をだすと 畑一面の花が輝きを取り戻した。ピンホールカメラを取りだし撮影にはいる。風が白い花畑の上を駆け抜けるまるで嵐の湖面のように白波がたっているようだ。 空に目をやると白い雲もいそいで流れている10秒程の露光をかけ5枚撮影する。時の流れの中でたち止まっているのは私だけ、そんな事を思いながら函館山を あとにした。

琵琶湖の渇水

 2000年夏琵琶湖の渇水が新聞の紙面を賑わした。8月26日私は浜大津から湖岸縁を石山方面へ自転車で走った。藻が 異常発生して湖面から伝わってくる風が異臭を運んでくる、でも近江大橋をすぎると藻でびっしりと覆われた水面、そして所々の水面には白い雲が映り写真で見 るアフリカの沼地のように美しく感じる。頭の中でフラミンゴを飛ばしているからなおさらである。藻のことで思い出す事がある。16年前にインタービュした 雄琴の旅館の主人がこんな話をしてくれた。昔はよく台風が藻を根こそぎ吹き飛ばしてくれたと。そういえば台風が近年少なくなった、水位の調節も大事な事と 思うが、大きな自然の中の琵琶湖を人間の力でコントロール、それは所詮無理な話。琵琶湖総合開発による湖の人工化はこれから後大変なつけがまわってくるの ではないかと心配だ。でもそんな負の記録を続けて行こうとあらためて決意した。

2000/9/28

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