事実を見る

 5人の仲間と今年2月に原発を考える講演会を開いた。事実を見る、と話を切り出されたのは京都大学原子炉研究所助手の小出裕章さん。東海村の事故の内容 を分かりやすく説明された。また原発から排出される死の灰の量の多さ、事実を見せられて行くうちに恐怖が私の脳裏を駆けめぐった。そして講演は1時間半で 終わった。小出さんの黒白をはっきりした話の内容は聞く者に清涼感さえ与えた。この国には原発は不要と私は確信を得た。事実を見る、なんと深い言葉であろ う。政治家も事実を見て政治をしているのだろうか。新聞やテレビは事実を見ているのだろうか。せめて原発の事は。事故が起これば多くの死者が、それだけで はすまないこの国の存亡に関わってくる問題なのだから。原発の実状をしっかり見つめた報道をしてほしいものだ。 金沢へ向かうサンダーバードが福井県を通 過中私は今事故が起こればとふと考えた。何事もなく列車は原発から送られてくる電力で快走している。電光掲示板に次は金沢と、そしてペットボトルの水を飲 んだ。ホットためいきまじりの息がでた。

2001/3/26